<欄間の厚み、販売価格について>

・欄間は、材料の板を厚くすることよって出来る表現の幅が広がり、価格もそれに伴います。

 

薄い中でもレリーフのような薄肉彫りで立体感は出せますが、厚ければより丸彫りに近く、奥行きも出るという具合です。

 

また、欄間は表裏の両面から彫り込むために複雑な要素があります。欄間に収まった時見栄えがするように、その厚みの中で表に大きく比重を置くなど、仕方や見せ方をいろいろと工夫します。

厚みが十分にある場合は、表と裏の判断がつかない程の彫りを施すことも可能で、枠から外に出ているように見せることも両面で出来ます。

欄間の価格は図案(簡単なもの、複雑なもの)、材質(材料代、彫り易さ)、寸法 (高さ、長さ、板の厚さ) によって違います。

彫刻材として多く使われるのは楠(クスノキ)で、彫り易く粘りがあり、彫刻するのに適していると言えます。樟脳の材料としても知られ、関東より南の暖地、四国、九州に多く分布しています。

また、ご希望によって他の樹種も使い分けます。それぞれ色や木肌が異なるため、仕上がりの印象が大きく変わって来ます。

 

・単純に材の価格自体にも差がありますが、木の堅さや彫り易さが違うため同じ寸法でも使う材の種類によって価格は変わってきます。ご提案も含めてお応えしますので、まずはご相談ください。

 

枠から外に広がり出るように彫り出すことを「枠からこぼす」と言い、板の厚みによって表だけこぼす場合と、厚みが十分にあれば両面でこぼす場合があります。

(←) 欄間「松にフクロウ」

板の厚み 一寸五分 ( 約4.5cm )

この欄間では表をこぼし、裏は覆輪(ふくりん)だけ残して地を一段下げてあります。