2016年
1月
03日
日
年末からずっと晴れの暖かい日がつづき、良いお正月を迎えることが出来ました。
今年一年 健康を大事に向上を目標に過ごして行きたいと思っております。
本年もよろしくお願いいたします。
2016年
2月
20日
土
これから吉田松陰 像を彫って行きます。
材は木曽檜で、像の寸法が大きいため寄木造りとします。この木は六年ほど前に買っておいたもので、いよいよ使う時が来ました。
見当で計ってギリギリどうかというところでしたが、なるべく同じような肌合いと質の方が良いので一本で取れれば間違いはありません。
2016年
2月
22日
月
膝足部分も寄せたところ。
もう少し違う合わせ方もありましたが、今回はこのやり方でやってみます。
後の工程で少し都合が良くなさそうですが、なんとかなるでしょう。
大きく鋸で落として行きます。
2016年
3月
09日
水
ある程度のカタチが出たところで、仮留めしていた部分を離しました。
まずは割れ留め防止のための内刳り。
部材を離すことによってノミが入るようになるので細部を彫り込みながら進めます。
ここで一旦、松陰さんは時間が空きます。
2016年
3月
09日
水
鮨屋さんの木製冷蔵庫のための彫刻です。これはおそらく初めての試みでしょう。大将が発案されたそうです。
「壁掛けの額」式に板に彫刻し、冷蔵庫の上下の扉に嵌め込むもの。二台あり、それぞれ関連する図柄としてあります。
材は檜で今回分けていただいたものですが、地元秩父から出た実生のものだそうです。
木曽のものよりも若干赤味がある感じで目も細かく良い木です。驚きました。
2016年
3月
18日
金
糸鋸を掛けた後、彫りに入って行きます。
こういったものはその板の厚みの中で立体感を出すため、一削りで大きく印象が変わって良くなることもあれば、その逆もあります。慎重に進めなければなりません。
一番高いところと低いところの差、または図の遠近法により感じを出します。
2016年
3月
30日
水
下削り、刻み、仕上げと段階に分けて地道に進めるよりありません。
どのくらい離れた位置から見られるのかということを考えますが、近づいた時にいわゆる削り残し、取り残しがあるのはスッキリしません。
「意図的に残している」「勢いがある」というのではない時、根底は丁寧な仕事をしたいと常に考えています。
2016年
4月
13日
水
今回全て海に関係する図柄で、二組それぞれ水の表現を考える必要がありました。
「水面」、「海中」、「海中」と組になる「波」と幾つかあります。ああそうなの?と言われるかもしれませんが、自分なりに気にしたところです。
2016年
4月
18日
月
最終的にピシッと枠の線を出すために傷つけないよう気にしながら進めます。
混んだ図のところ、波を彫っている時ここに枠が無ければ、、、などと何度か思いましたがそうもいきませんね。
2016年
7月
14日
木
図柄を彫り込んで自分の仕事はここまで。これか大工さんの元へと戻り、仕上げの鉋掛けがされます。
そして一旦組んで確認し、もう一度ばらして現場へと運ばれます。
ちなみにこの部材は入り口の虹梁と向拝の虹梁となります。
2016年
7月
29日
金
梅雨明けが発表され、計ったようにミンミンゼミが鳴き始めました。やはり夏の盛りにはやかましいくらいのミンミンゼミが合っています。
やかましいといえばクマゼミで、あれは本当にうるさい笑。このあたりにはクマゼミはいませんが、大きく無骨で黒々としたフォルムは存在感があります。子供の頃、伊豆で初めて捕まえた時に、車の中で離してしまって倍うるさかったのが印象に残っています。
また夏の終わりに鳴き始めるヒグラシの声が好きで、夕方涼しくなって鳴き出すあのカナカナという声を聞くと物悲しいような、夏が終わるなぁという情緒がありました。
ここ何年かはその周期が崩れ、夏のはじめからヒグラシが鳴き出して、なんだかおかしい。自分の親の世代の何十年も前と比べるとということでなく、子供の頃の二十年前と比べても変わっている。百年単位、もっとそれ以上で見るともともとそうだったんでしょうか。
先日行った員弁でも一日中ヒグラシが鳴いているようで、参ったのは朝方四時くらいから鳴き出して、お互いに触発されるのか一斉に声を揃えて大合唱。泊まったところの目の前が林だったので特等席です。ここまで来ると耳障りになってしまい情緒どころではありません。
実際どういう原因かわかりませんが、こんな事からも自然界がどうなっていくのか心配です。せめて省エネを心がけたり、ゴミを減らすために気を遣うべきで日本の過剰包装はいつも気になります。
小さな事であっても心掛けが大事で、大きな目で思いやりを持っていかなければいけませんね。
2016年
9月
06日
火
先の仕事の段取りのため富山県井波へ行って来ました。今年の五月以来の約三ヶ月ぶりです。
以前に日帰りをしたこともありましたが、かなりつらく危険なので一泊二日で今回は高岡に宿泊しました。
初日、朝自宅を出発してお昼ごろ富山県へ。
まず材木屋さんへ寄って木を吟味。良い材は当然値が張りますので気楽には買えませんが先の為と思い切って購入。完全に予定外の予算オーバーでしたが、急に仕事が来た時に探すとなるとまた大変なのです。いつか良い機会に恵まれるよう努力することですね。
次に前から伺いたかった木工家さんの工房へ伺いました。メールでやり取りをしても やはり実際に会ってみないとわかりません。見た目にも想像とは違う印象で、お話を伺ってもとても良心的でバイタリティのある方でした。
仕事の手を止めさせてしまって申し訳なかったのですが、また今後お世話になるであろう いろいろな情報をお聞きして、あっという間の二時間。有意義な時間でした。
2016年
9月
07日
水
打ち合わせで都内まで行ったので、帰りに前から目をつけていた展示を見て来ました。
東京芸大美術館で開催中の「驚きの明治工芸」というものです。たまたま初日でした。
実際に見てみるとパンフレットで想像していたものよりずっと内容が濃く、充実していて好みのものばかり。情報量が多すぎて頭が一杯。
そして、なんと今回は企画展なのに写真撮影自由(一部撮影禁止あり)。お客さんの数もちょうど良く見て回れるほどでしたので、誰もいないところを見計らって行ったり来たりで迷惑気味に撮影して回りました、、、
とにかく実際に見て欲しいものばかり。存在感や大きさは図録からは伝わりません。
この後、巡回で京都と なぜかまた関東に戻り川越で展示されるようです。ご興味のある方は是非。
2016年
9月
16日
金
ボクシングに詳しいわけではなく、テレビで放映している有名な選手しか知らないけれども、ボクシングの試合がテレビであると知ればまず見るくらいの薄っぺらいボクシングファンではあります。
今日の山中慎介選手、長谷川穂積選手の試合も逐次チェックしていたわけではなく、一昨日たまたま知ったようなものですが、次やるときは自然と情報が入ってくると思っていました。
長谷川穂積選手のファンで、紙一重の世界で勝ち続けている凄さはもちろん、ここぞというときの見せ場、怒涛のラッシュに魅せられて、興奮して試合を見ていましたしずっと応援していました。
この世界戦が二年五ヶ月ぶりということで、そんなに経つのかという印象。本人、関係者にとってどれだけの長さだったのでしょうか。
テレビ放映では、かなり編集されていて短時間であったのがとても残念ですが、今後のことはどうあれ とにかく素晴らしい興奮する試合を見させてもらったこと、そして勝ってくれたことが素直に嬉しい。
2016年
10月
19日
水
なんとなくお盆過ぎから九月、今に掛けて時化た天気が続き、気持ちが晴れない日ばかりでしたが、そんなことは関係なしに時間は過ぎて行くのでとにかくやることをやるだけです。もうコタツを出す季節となってしまいました。
さて今年で第九回目の合同展のご案内です。私は平成24年からの参加なので五回目ですね。
やっと展示会名が落ち着き「工燈」となりました。DMも新しいレイアウトです。もう目が慣れてしまいましたが第一印象はどのような感じだったでしょうか。
会期は
平成28年11月10日(木)〜11月14日(月)11時〜18時まで
会場 高岩寺会館(とげぬき地蔵尊高岩寺)170-0002 豊島区巣鴨 3ー36ー1
私の在廊日は10、12、14日を予定しております。
よろしくお願いいたします。
2016年
11月
25日
金
11月に関東での積雪は何十年ぶり。場所により初観測となったという11月24日。
物好きなので雪の降るなか写真を撮っておきました。
午後に東京へ用事があり、雪が降るのを電車の中から見ていると年明け2月くらいの感覚に。
山間部を抜ける頃には雪はやみ、都心に近づくにつれ家々の屋根の雪も少なくなり、夕方新宿へ着いた時には地面に雪はありませんでした。
せっかくの機会。翌日、雪に日が当たったところが見られればと思っていましたが、秩父でも葉の上に雪は無く一時の出来事でした。
2016年
11月
28日
月
もう完成していますが、猿像の制作過程を載せます。
材はヒノキの代用品として社寺建築で多用されているベイヒバを使います。社寺建築には膨大な量の、しかも大きな材が必要で国の事業でもなければ資源と金銭的な問題でそれだけのヒノキを集めることは困難です。そこで代わりに使われるようになったのが台湾ヒノキ、その次にベイヒバです。試験でも強度が確認されているそうで水に強い性質を持っています。
今回ベイヒバを選んだ理由も、完成した像が半屋外というか、雨がかかる可能性のある場所に置かれるため水に強い方が良いということ、そして色味がありました。
ベイヒバと言っても日本のヒバに似ていることから日本でそう呼ばれているだけで、実はヒノキの兄弟らしいのですが、匂いは日本のヒノキとは全然違います。
産地はアメリカ、カナダ。寒いところにあるため樹齢千年以上という途方もないものです。年輪が0.5㎜のしかないところもあり、均一で若干脂気のある感じがします。