日本の四季には、はっきりとした変化があり、そのことが影響し季節ごとの植物の成長に差が生まれます。
生長の度合いが大きい春から夏に形成された部分を「早材」と言い、生長の度合いが小さい秋から冬にかけて形成される部分を「晩材」と言います。この早材と晩材が一年の中で形成され、それが繰り返されることにより年輪が出来ます。同じ樹種でも生えている地形や日当たり、生育地によっても年輪の出来方や癖など性質に違いが出ます。一つとして同じ木はないということです。
基本的に目の詰んだものは狂いが少なく、また木は生きた分だけ材となってからも生きるということも言われ、長い年数を掛けて育ったものは長く持つと考えられています。
宮大工の西岡常一さんはいつも「千年育った檜で造った建物は、千年の風雪に耐える」と言っておられたそうです。また木挽きの林 以一さんは「伐った後に極力無駄にならない努力、もう一度木の命を別な形で生かす工夫をすること。そして鑑賞するときは、そんな木の一生に思いを巡らせる。」と言っておられますが、まさにそうだと思います。
木にも寿命があり、いつかは枯れて朽ちていきます。寿命の少し前の健康な状態のときに伐り、材となったあと出来るだけ無駄にせず、もう一度別な形で生かすことをする。そして伐った後にはまた植える。これが出来れば一番良いことだと思います。ただ実際は