先日納めた虹梁について載せたいと思います。
虹梁とはいわゆる梁のことで、社寺の構造材です。
使われる場所や形状によって「繋虹梁」「海老虹梁」などいろいろと呼び方があります。
今回はヒノキ材の十五尺物、乾いているとはいえ結構な重さがありますので運び入れるのも大変でした。
(←)彫刻前の写真
この細長く狭いスペースは普段は機械を掛ける場所として使っており、大きなものをする時は臨時で使います。入口から奥まで三間で、虹梁が二間半、棚が奥にあったのでギリギリでした。
(←)今回は椅子に座っての作業
普段彫刻する時は床に座って彫っていますが、椅子で作業するのも良いものです。
前々から考えていることで、床と机の両方が使えるようにするのがベストなんですがまだ出来ていません。
もともとは机と椅子での作業に若干の抵抗がありましたし、立体を彫る時などは胡座をかいて、しっかり押えながらでないとなかなか仕事になりません。
ただ、作業によっては机の方がやり易いこともありますし、床だと後々腰痛になるというのもよく聞くことです。
時代の流れの色々な影響もあるのかと思いますが、まわりの職人方の中には腰痛の為、床から机での作業に変えた方も何人かいらっしゃいます。大工さんも腰痛は職業病だと言いますし、確かに慣れているとはいえ、彫刻も体にかなりの負担が掛かります。
将来のこと思って早く考えた方が良いのかもしれません。
虹梁から逸れましたが...
(←)彫りの様子
虹梁は高い所へ上がるた為、深く鑿を入れて陰影をはっきり出さなくてはいけません。
たまに古い神社やお寺を見に行ったりすることがあるのですが、小さなところでも本当に鋭く入った良い仕事を見ることがあります。
図の細かさなどの内容もありますが、彫りの深さによって手間が全然違うので感心してしまいます。昔の職人さんの気概を感じますね。
(←)彫り上がりはこのような感じです。
ここからまた大工さんの所へ行き、柱と組み合わさる部分、仕口を刻んで一つの部材となります。