社寺彫刻|手挟みの制作

先日納めた手挟(たばさみ)について載せます。

 

手挟とは、向拝(本堂や拝殿から前に出た部分)の屋根を支える向拝柱と垂木の間に取り付けられる部材です。

 

 

(←)写真の楕円の部分です。

 

普段意識せずに参拝していると、なかなか気付ない部分ではありますが、「鶴に松」「鷹に松」「牡丹」「菊」「水波に亀」など、手の込んだ様々なものが彫刻されているところもあります。

 

富山県南砺市井波町にある瑞泉寺太子堂の手挟は「雲水龍」「桐に鳳凰」の図で一木から彫り出す透かし彫りが施された素晴らしいものが入っています。

 

工房が門前だったのでなにかと見に行っていたのですが、さすがにやはり鐘楼堂から何から本当に良い仕事のものばかりです。

 

彫刻を始めてから年月が経つにつれて益々そういった印象を受けます。

 

そして今回彫刻したのはこのケヤキです。

 

 

二丁あり、これも運び入れるのも大変でした。見るからに硬そうですが重さからしてもそれがわかります。

実際に彫り出してみると厭になるくらいのもので、ノミを入れると玄能ともに弾むようです。

 

図はあっさりとした唐草なので、まだ良かったのですが鎬 (しのぎ) を取るのが大変です。

 

機械で大まかには落とせますが、やはり最後は手仕事です。

(←)八分の平ノミ

 

途中、研いでいてどうも中央部分が仕上げ砥石に当たらないので、中砥で裏を押してみると、なんと四隅しか当たっていませんでした。

 

無理な使い方はしていないつもりですが渦の曲線に持っていかれたのか熱を持ったためか歪んでしまったようです。

 

 

以前に堅い、硬い木を彫った時もこんなことはなかったので本当に驚きでした・・・。

(←)手前のものは上下逆さまですが彫刻が済んだ手挟みの写真です。