鑿(ノミ)、彫刻刀、小道具について
柄を仕込む
(←)これは仕上げ彫りの時に使う彫刻刀と小道具。
初めはこの状態であり、柄をすげ、研ぎを入れて使えるようにします。
お店で買うか、直接鍛冶屋さんに打ってもらいます。
彫刻をする上で刃物がなければどうにもならず、とても大事なものです。
柄に使う材料は統一している人もいれば、いくつもの種類を使う人、仕上げに漆を塗る人など様々で、その派の系統や主にどんな仕事をするかによっても変わってきます。
画像にあるのはイチイ、タブノキ、ヒノキ。自分の場合は、主にタブノキですが道具の大きさや用途に合わせてある程度変えています。
道具は「研ぐ」、「使う」の繰り返しです。同じ寸法の道具でも研ぎで刃の形状を変えることもありますし、「堅いケヤキ」と「軟かいヒノキ」というように彫る木の種類によっては刃の角度を変えなければならない時もあります。
そして頻繁に使うものは自然と減っていくものです。同じ寸法の彫刻刀を何回か仕込み直すこともあれば、弟子自分に仕込んだものを一生使うこともあります。
仕込みたての新しい道具より、使い込んで色が付き、手に馴染み、研ぎ減ったものの方が使いやすいものです。
また鍛冶屋さんによって、一番切れるところを真ん中より後ろのあたりにされているところもあります。そういったことからいくと、使い手にとって研ぎ減り小さくなったところが使いやすく、刃物としても一番良いところでもあるようです。