<道具>

鑿(ノミ)、彫刻刀、小道具について

柄を仕込む前の状態

裏浅丸の七分、中浅丸の一寸二分ノミと柄

仕上げ彫りの時に使う彫刻刀と小道具

 

 初めはこの状態であり、柄をすげ、研ぎを入れて使えるようにします。

お店で買うか、直接鍛冶屋さんに打ってもらいます。

彫刻をする上で刃物がなければどうにもならず、とても大事なものです。

柄に使う材料に決まりはありませんが統一している人もいれば、仕上げに漆を塗る人など様々で、私は主にイチイ、タブノキ、ヒノキを使います。

まずは柄となる材を適当な大きさに割る。

彫刻刀の場合は、割り柄と言ってこの角棒をさらに半分に割って仕込む方法をします。

道具の種類、木の種類、色合いや杢など好みによって、それぞれの道具を充てます。

そしてその道具に見合った大きさまである程度の鉋掛けをする。

次に、柄の先に穴を開けて小道具を打ち込みます。無理にやれば木が割れてしまうので、一本一本の小道具の首の形に合わせて穴を開け、慎重に挿し込む。

小鉋、豆鉋を使って自分の手に合った使いやすい形に一本一本仕上げていく。

そして鉋で形を整えた後、紙ヤスリを掛けて仕上がりです。

これから長い付き合いとなります。

道具は「研ぐ」「使う」の繰り返しです。同じ寸法の道具でも研ぎで刃の形状を変えることもあり、堅木と軟木では刃の角度を変えなければならない時もあります。

使用頻度により同じ寸法の道具を何回か仕込み直すこともあれば、一度仕込んで一生でも使い切らないものも多くあります。

 

また仕込みたての新しい道具より、使い込んで手に馴染み、研ぎ減ったものの方が使い易いものです。鍛冶屋さんによって、一番切れるところを真ん中より後ろのあたりにされている方もあり、そういったことからいくと使い手にとって研ぎ減り小さったところが使い易く、刃物としても一番良いところでもあるようです。