2013年
5月
23日
木
完成です。
稲荷神の神使、眷属
狛犬や獅子の多くは阿吽の像として対となっていることが多いですが、稲荷神社の狐像でも同様に阿吽であらわしてあるものが見られます。
「お稲荷さん」の総本社、京都市伏見区「伏見稲荷大社」の楼門前の狐像もそれぞれ玉と鍵をくわえた阿吽の対となっており、玉は稲荷大神の霊妙な神徳を、鍵は大神の宝蔵を開く秘鍵を象徴しているそうです。
そして今回制作した狐像も阿吽としてあります。巻物をくわえつつ「吽」ですが、この巻物はいかなる祈願も叶うという稲荷の秘宝をあらわす象徴とされているそうです。
また、付随してあらわすものは他にも「 宝玉、鍵、稲穂、鎌、巻物 」 などがあり、前足のあたりに置いてあるものや押さえている格好のものなどいろいろな形があります。
2013年
11月
26日
火
先日24日にトーハクで行われた、面打ちの新井達矢さんによる実演とトークのイベントに参加して来ました。平成館のホールで行われ、午前と午後の二部制です。
彫刻史研究員の浅見さんという方と新井さんが並んで座り、司会の方と共に面についての細かな説明とトークをしてから実演、が午前の部。
事前予約で人数が制限されていましたから、作業しているところを囲んで見学するものだとばかり思っていたのですが、実際は壇上で実演しているところをプロジェクターで映して席に座ったまま見学するという形でした。
出来れば人に見られながらの作業はしたくはないですが、今回はその上改まった席でかなり緊張されたのではないかと思います。
進行具合が違う面を用意されていて、荒彫り、小作り、彩色という内容。ハタから見てさすがに最初十分ほどは緊張の様子が伝わってきましたが、徐々に集中し自分の世界に入っていっていたように感じました。
客観的に見ると人の仕事というのは面白いもので同じ彫ることですが槌の振り方やリズムなど個性があって興味深い。
ネクタイ、ベストに足袋というのがまたシュールでした。
午後の部はトークで、特集陳列されている安土桃山時代から江戸時代初期に活躍した面打、是閑と河内という作家の作を数点取り上げて新井さんによる技術的観点からの解説、感想や浅見さんによる研究員からの視点のお話でとても内容の濃いものでした。
新井さんと会うまでは面に注目していませんでしたし見る機会もそれほどなかったのですが、説明を受けることでその奥深さが感じられるようになりました。
良いものを見ることが本当に大事なのだと実感です。
今後はお二人で、それぞれの視点で意見を交えながら面の調査研究をされるということです。
他の分野でも行われていることかもしれませんが、作り手も関わった研究がもっと増えていけば良いのではないかと思います。